Databricks Certified Data Engineer Associate合格体験記およびベンダ試験について考えたこと

先日、Databricks Certified Data Engineer Associateを受験し合格した。せっかくなので受験に際し考えたことなどを記録に残しておこうと思う。

受験の経緯・準備

昨年11月にはじめてDatabricksをさわった。その後、受験を要請されたので準備を開始し、年末に公式の模擬試験を解いた。
Databricks歴は2ヶ月、受験の準備期間は1ヶ月といったところか。

AWSのように受験に特化した書籍は出版されていないので、入手した各種資料を読みながら概要を理解しつつ、公式に加えてudemyの模擬試験を5回分解いた。
www.udemy.com

模擬試験の正答率は以下のようだった。
公式:23/45
udemy1回目:27/45
udemy2回目:27/45
udemy3回目:22/45
udemy4回目:32/45
udemy5回目:33/45

合格するには32問正解しなければならない。模擬試験は本番より難しいものの、受験3日前(この時点で申込はしていない)の時点で半分を切ってまずいかなと思ったが、翌日一気に得点が上がったので勢いで申し込んだ。
この話からわかるように、申込は直前でもできる。画面の表示を見た感じだと最速で申込1時間後くらいから受験できるようだ。

受験本番

監視アプリを入れて家のPCで受験するようになっている。
OSのバージョンによっては監視アプリをインストールできなかったりするので事前に確認したほうがよい。
また、机などの受験環境についても物を置かないようにといった指定がある。
念のため、何も置いていない折りたたみのテーブルをリビングのど真ん中に設置して受験した。

指示に従って5、6問解いたところで強制的に一時停止がかかった。
すぐ受験に戻れるみたいなことが書いてあるものの5分くらい待っても何の音沙汰もない。
サポートのボタンが表示されていたので押して問い合わせたらすぐに再開された。
ちなみに現時点では英語でしか受験できないので問い合わせも英語に限られると思われる。

その後は特に変わったところがなく、制限時間90分のところ見直しの時間も含め35分ほどで終わって提出した。
この点、時間の余裕はあるので英語がそんなに得意でなくてもなんとかなると思われる。
すぐに結果が出てきて、36問正解で合格した。

9年ぶりのベンダ試験

ベンダ試験を受けたのは9年ぶりだ。
新卒1年目に最初の職場でITコンサルティングの仕事をしていたときに、Oracle MasterJavaの試験を受けた。
SilverかBronzeのどちらかだったと思うがいまとなっては記憶があやふやだ。

その後転職してからはOracle DatabaseもJavaも使う機会がなく、同じく新卒1年目に受けた応用情報技術者はなんだかんだいっても知識の基盤として役に立っている側面があるのに対し、ベンダ試験はその製品や言語を使わなくなったらほぼ意味がないのでは、という印象を抱いていた。

そういうわけで仕事でクラウドサービスを使う機会が増えてきても、AWSやAzure、Google Cloudの試験を積極的に受ける気にはならなかったのだが、今回は頼まれたこともあり久しぶりにベンダ試験を受ける運びになった。

ベンダ試験を仕事でどう役立てるのか

上に書いたようにクラウド関係の試験は受けたことがなく、かつ利用経験が豊富というわけでもないので適当な印象論なのだが、クラウドによるシステム開発は確定申告みたいだなと思うことがある。

やりたいことがあって、そのための手順が複数存在して、各々に条件やらルールがあって、どれが最適なのかがわからない。
税理士が節税のための最適な申請方法を知っているようにクラウド有識者は最適なサービスの組み合わせを提示できる。
マネージドなサービスであるという性質上、クラウド開発が得意になるにはプログラミング能力や数理的思考力よりも先にサービスを知悉していることが必要とさえ思われる。

そう考えると、対象サービス群に対しひととおりの全体像を与えてくれるクラウドのベンダ試験は有用なのかもしれない。
Oracle DatabaseやJavaと比べても目的に対する機能の組み合わせが複雑な点からもそういえそうだ。

一方で、自分の職務によって同じ試験でも大事な範囲とそうでない範囲があると思う。
Databricks Certified Data Engineer Associateにしても、たとえばSQLの方言に関する出題がけっこう多い。
こういう知識は毎日Databricksでがりがり設定をするような人には有用だろう。その反面、データ基盤導入のコンサルティングのような場面ではそうでもなく、そういうものもあるんだなとインデックスを貼るくらいの感覚でよいのではないか。

その分、必要な領域については実務も含め知識・ノウハウを深めていくのがよいと思う。私も受験後、自分の仕事で大事そうな領域については自分の仕事の文脈で自分の言葉でまとめ直してみた。